Webコンテンツには写真やイラスト、動画やテキストなどの多くの表現方法がありますが、その中でもライティングは非常に重要な要素です。企業の情報発信の手段が多様化する中、「発信したい情報を、文章で適切に表現できるか」が企業の業績に影響するといっても過言ではありません。
Webサイトの評価において大きな比重を占めている「テキストコンテンツ」は、Webサイトの効果を最大化させるために必要不可欠で、サイト中の文章やブログ記事は「わかりやすく」「何を伝えるか」が重要視されます。
「いまいちコンテンツの効果を実感できていない」といったお悩みを抱えている人は、ライティングの内容を一度見直してみませんか。
ここでは、Webライティングにおいて効果的にユーザーに訴求するためのポイントについて解説します。
内容が伝わるライティング
Webライティングは、文章を読んだユーザーが次の行動を起こすためのきっかけとしての役割を果たしています。最も重要なのは「内容が伝わるライティングをすること」です。
このことについて、以下の3つのポイントに絞って説明します。
わかりやすい表現を使用する
誰が読んでもわかりやすい表現を使用することが大切です。
「一文一意」を意識する
基本的に1つの文章には複数の内容を入れないようにしましょう。文章が長くなると主語と述語の関係がわかりにくくなります。読み返すことなく、1度読んだだけで内容を理解させるためには、主語と述語の関係をハッキリさせ文章を短くする必要があります。
また、これは段落にも同じことが言えます。段落には各々、中心となる話題があります。話の過程で中心話題が変わる場合には、段落を変えると良いでしょう。
専門用語はできるだけ使わない
特定の業界で使用されるような専門用語はできるだけ使用しないように心がけましょう。誰が読んでも理解できる文章とするためには、一般的に広く使われている用語のみを使用することが大切です。読者層が専門知識を持った人たちであれば問題ありませんが、年齢も性別もバラバラで不特定の人に見られる文章であれば専門用語を簡単な言葉に言い換えたり、注釈をつけたりして対応しましょう。
「ですます調」「である調」の文体を統一する
文末表現は必ず統一しましょう。体言止めなどで意図的にリズムを付けるというテクニックはありますが、バランスを考えずに多用すると統一感のない文章になってしまいます。また、統一しても「ます」などが3文以上連続したりする場合には、表現を変えることを考えましょう。
数字やアルファベットは全角や半角表記のルールを決める
数字やアルファベットの表記では、ルールを決めておくことが大切です。全角と半角では見た目に大きな差が生まれることがあり、統一をしていないと読みやすさが低減してしまうおそれがあります。
改行をおこない見た目のバランスを調整する
モバイルファーストの現代社会では、PCで見た際とスマートフォンなどのモバイル端末で見た際でのテキストの見え方を意識する必要があります。適宜、改行をおこなうことで文章をブロックごとに読むことが出来るため視認性が上がり、離脱を防ぐことにもつながります。
文章の無駄を徹底的に省く
Webサイトの文章は「長くて分かりづらいな」という印象をもたれると離脱率が上がります。読み手に対して、「要するに何が言いたいのか」。それを鷲掴みにする必要があります。言いたいことは伝えながら、ユーザーにとってストレスを与えず読み進めてもらうために、以下のような工夫が必要です。
不要な言い回しを減らす
同じ内容が伝わるのであれば、長い文章よりも短い文章のほうが好印象です。無駄な文章は削り、内容をハッキリさせましょう。
重複する言葉は代名詞に変える
前後の文章で重複する言葉がある場合には、代名詞を用いて重複を避けると読みやすさが上がります。しかし、代名詞も多用しすぎるとかえって読みにくくなるため注意が必要です。
視覚的に理解できる画像を用意する
「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、文章の説明だけでは伝えきれない部分を補ってくれるのが画像です。
また、読み手に対しての「休憩」という意味でも画像は大きな役割を果たします。長い文章になればなるほど、読んでいると読み手は疲れてきます。そのため、読み手が離脱してしまうことを防ぐ意味でも、見出しごとに画像を用意することは重要です。
箇条書きを使用する
伝える情報が限定されている場合には、文章でつなげるよりも、箇条書きを使用したほうが内容を端的に伝えることができます。
出来上がった文章の推敲をおこなう
文章の公開前に、書いた内容に矛盾がないかどうかを確認しましょう。
文章を推敲するにあたってのポイントは以下の3つです。
誤字脱字は無いか
同音異義語や誤変換など、誤字脱字が無いかは徹底的に確認しましょう。場合によっては、文章の意味が180度変わってしまう可能性があるため注意が必要です。
タイトルや見出しの内容が、本文と合致しているか
文章中での主述関係は問題なくても、タイトルや見出しと本文の内容にズレがあっては問題です。タイトルや見出しで提起した疑問を、本文中でしっかりと解決できているかの確認は忘れないようにしましょう。
冗長表現になっていないか
重要なポイントだからといって、何度も似たような表現を用いて同じ内容をまとめてしまうと回りくどい表現となってしまいます。伝えたい内容とは直接関係のない部分などは大胆に削り、文章そのものを端的でわかりやすいものに洗練させていくことが大切です。
ライティングの目的を明確にする
Webライティングは読み手が文章を読んだら終わりではありません。
文章を読んだユーザーが内容に納得し共感をすることで、「次のアクションを起こしてもらう」ことがライティングの目的です。
そのためには、以下のような点に注意する必要があります。
ターゲット層を明確にする
「この文章の読者はどのような人たちか」といったターゲット層を明確にしましょう。
不特定多数に読まれる文章は、何を伝えたいのかが分かりづらい文章になりやすいです。
「年齢」「性別」「職業」「家族構成」「収入」「住まい」「悩み」などといったキーワードから具体的な人物像を想定し、どういった文章であれば最後まで読んでもらえるかを意識しながらライティングをおこなう必要があります。
文章の構成を考える
ターゲットを決めたら、文章の構成を考えます。
ここでは主に2種類の文章構成方法について説明します。
ロジカルライティング
実用文の基本は、結論から先に書くということです。
読み手は先に内容の概要について把握することができるため、段階的に理解していくことが可能になります。論理的で理解しやすい文章構成であり、読み手を納得させたい場合などに向いています。SDS法やPREP法がこれに該当します。
ロジカルライティングは文章の構成が「なぜその結論(主張)にたどり着いたかの根拠(理由)」が中心となるライティング手法であるため、会議の議事録や企画書、メールなどといった多くのビジネスシーンで役に立ちます。
エモーショナルライティング
エモーショナルライティングは、ロジカルライティングとは対照的に、結論を最後に伝えるライティング手法です。理解してもらうことよりも先にユーザーの感情に訴えかけ、共感を得ることで行動につなげるという狙いがあります。
情報の正確さ
Webライティングを行う際に気を付けなければならないのは、「情報の正確さ」です。
情報収集も大変な作業ではありますが、SEOを意識して信頼性の高い記事を書くことを心がけましょう。正しい情報をわかりやすく伝え、さまざまなユーザーのニーズに応えることで、コンテンツの精度を上げることができます。
SEOを意識しつつ内容とのバランスをとる
SEOを意識したキーワードを本文中に取り入れるとWebライティングの質がさらに上がります。しかし、それらのキーワードに囚われたまま文章を構成すると質の悪いコンテンツになりかねません。あくまでも、ユーザーにとっての読みやすさを意識する「ユーザーファースト」の書き方が大切です。
そのうえで、「月間平均検索ボリューム」などを参考にしながらキーワードの選定をおこなうと良いでしょう。
読み手の興味を引く
例えばインターネットで買い物をするとき、その商品を手にすることで自身の欲求が満たされるようなものを探す場合にはユーザーは「プラスの欲求」を持っています。
反対に、生活に不便を感じたり困ったときや、自分の悩みやコンプレックスを解消してくれるような商品を探す場合は「マイナス回避の欲求」を持って行動しています。
つまり、これらの欲求を満たすようなキャッチコピーを用意しておけば、効果的にユーザーの感情を刺激し、購買へと誘導することができます。
「プラスの欲求」向けのライティング
「プラスの欲求」向けの文章は、ユーザーが「もっとこうあればいいな」「こんな感じが理想的だな」というような気持ちを刺激するような書き方が必要です。
文章を読んだユーザーが「使用している自分を想像できる内容」にするのが効果的です。製品の機能説明など、企業目線で書かれたコピーはユーザーが素通りしやすい傾向にあります。
「プラスの欲求」向けの文章の例
・仕事の効率がアップするおすすめビジネスアプリ
・歩くだけでポイントが貯まる!超お得なポイントアプリ
・飲んで寝るだけで翌朝スッキリ!便通改善サプリメント
「マイナス回避の欲求」向けのライティング
「マイナス回避の欲求」向けの文章では、ユーザーが抱える「悩み」や「コンプレックス」「不安」を解消してくれるかもしれないといった気持ちを刺激するような書き方にする必要があります。「あなたの悩みを解決できます」という立ち位置でユーザーの心に訴えることによって、読んだ相手に安心感を与えることができるでしょう。
「マイナス回避の欲求」向けの文章の例
・あなたは大丈夫?初心者が陥りやすい間違った設定方法
・つらい関節痛、我慢していませんか?
どちらの文章も、ユーザーにとって「自分ごと」と思われるような内容を意識して書くことがポイントです。
まとめ
技術的な観点(SEOライティング)も大切ですが、テクニックばかり気にして伝わらない文章となってしまうのでは意味がありません。
効果的なライティングに必要なポイント
・Webサイトの目的が何かを考え、必要な情報を絞ること
・情報を発信するターゲット像を明確にすること
・ターゲットの悩みやニーズに寄り添い、行動を促す内容であること
・ユーザーの満足度を意識した「ユーザーファースト」の文章であること
今回述べた基本のポイントを踏まえながら、ターゲットにとって「心が動かされるコンテンツになっているか」という視点で文章を作成することが大切です。