多くの企業や店舗は、ホームページのデザインや制作にはリソースを割きますが、運用や保守にはあまり力を注ぎません。
しかし、ホームページは制作して終わりではなく、そこからPDCAを回していき、より適切で効果のある形を模索していくことが何よりも大切になってきます。
本記事では、ホームページの保守・運用で行うべきこととその方法について、解説していきます。
なぜ、ホームページの保守・運用が重要なのか?
Webサイトがチラシやポスターなどの広告と大きく異なることの一つは、比較的簡単に「修正が可能」ということと、「データが取れる」ということです。
そのため、データを元にサイトを改修していき、仮説と検証を繰り返すことで、より適切で効果的なWebサイトを作り上げることができます。
Webサイトを新規で作成、もしくはリニューアルする際、経験や仮説を元に、情報設計やデザインを行っていきます。ですが、それが本当に適切かどうかは、実際に公開し、検証を行ってみないとわかりません。
Webサイトは公開して終わりではなく、より適切な形を模索をしていくことで、より効果的に閲覧者をコンバージョンへと導くコンテンツが出来上がっていきます。
自社のWebサイトを作成することの重要性は下記でも記載していますが、一度軌道に乗せれば、24時間、お客様がアクセスすることができ、全世界へ自社をアピールできる看板となります。それは企業の1つの財産となり得ます。
そのためにリソースを割いていくことは、企業にとってとても重要な役割を果たします。
Webサイト運用におけるPDCAサイクルの回し方
Webサイトを運用していく際には、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Actサイクル)を回していくことが大切です。
しかし、PDCAサイクルとはよく聞きますが、実際にどうすればいいのかわからない人もいるのではないかと思います。
物事を効果的な形に進めていくためには、仮説と検証が大切です。
仮説実行のための計画(Plan)と検証の実行(Do)を、継続的に、効果的に回していくために、確認(Check)を行い、そこで見えてきた課題の対処(Action)を行っていく。PDCAサイクルは、大まかに言うとそのようなイメージです。
各工程について説明していきます。
1. 計画 (Plan)
目標を設定し、仮説を立て、施策を計画します。
- 目標設定:
達成したい具体的な目標を設定します。ここでは、大きな目標(KGI:Key Goal Indicator)と小さな目標(KPI:Key Performance Indicator)を明確にすることで、道筋が立てやすくなります。 - 仮説立案:
目標達成のために、具体的にどのような施策を行うべきなのか、考え立案していきます。 - 計画策定:
仮説をどのように実行していくのか、計画します。 - 予算とリソースの確保:
計画実行のために必要な予算や人材、ツールを確保します。
2. 実行 (Do)
計画を実行します。
3. 確認 (Check)
実施した施策の結果を評価します。
Webサイトのトラフィック、コンバージョン率、ユーザーフィードバックなどを分析し、計画との適合度を確認します。
この時、当初予定していた通りの動きが出ても、そうでない場合でも、多角的に状況を分析することが大切です。
例えば店舗経営の場合、当初予定していたKPIをクリアしても、それがお問い合わせやお客様の動きに繋がらなければ意味がありません。また、そのKPIと実際の売り上げには関係がないこともありえます。
このようにして状況を分析し、問題や課題を特定し、原因を探ります。
4. 対策 (Action)
問題や課題に対する具体的な対策を立てます。
これには、Webサイトの改善や修正などの小さな対策から、当初の計画の見直し。もしくは新しい計画の立案などが含まれます。
そしてまた対策を実行し、再度計画→実行→確認のステップを繰り返します。
PDCAサイクルは継続的なプロセスであるため、これらのステップを定期的に実行して改善を続けることが重要です。また、サイクルを回していく中で、3ヶ月を目処に、全体の大きな検証を行うなど、見直しをすることも大切です。
Check(確認)の重要性
しかし、実際に運用作業を行なっている会社では、PDCAサイクルを回しているつもりが、PDPDPDPDの繰り返しで、Cが疎かになっていることが少なくありません。
PDCAサイクルの中で最も大切なのはCの確認です。状況をしっかりと捉えた上で対策を取らなければ、効果のある施策は打つことができません。
また、状況は見方によって変わってきます。先述した通り、Webサイトだけに囚われず、多角的に状況を確認、分析することが大切です。
Check(確認)の方法
確認、分析の方法は、Webサイトとそれ以外(実店舗の入店数や売り上げなどのリアルの部分)の両方で検証していくことが大切です。
リアルの部分では、普段収集している数字の他、アンケートなどにより情報を得る方法もあります。
Webサイトの分析は、ウェブ解析ツールを利用してデータを収集していきます。以下に一般的なウェブ解析ツールを紹介いたします。
Google Analytics
Google Analyticsは、最も広く使用されているウェブ解析ツールの一つです。
Googleから無料で提供されており、Webサイトの訪問者数や、各ページごとの閲覧数。訪問経路、コンバージョン数などを確認することができます。タグなどを利用することで、指定のボタンのクリック数などを確認することもできます。
Google Search Console
Google Search Consoleは、Webサイトの訪問者がどの検索ワードを利用してサイトを訪問したかを確認することができます。
また、訪問した場合に限らず、検索ワードに対して検索順位では何位に当たるのかを確認することもできます。
その他にも、Googleの検索に引っかからないようになってしまっているページがないかの監視、警告。その他、ユーザビリティに関する警告などを受け取ることができます。
新規でページを作成したばかりの場合、サーチコンソールにサイトマップを提出することで、Googleに認知してもらい、検査に引っかかりやすくすることもできます。
(サイトマップを提出しない場合、Googleがページを認知するのを受動的に待つ形になります)
ヒートマップ
ヒートマップは、サイト閲覧者の行動を、温度変化の図のように視覚化したものです。
クリック、スクロール、マウスオーバーなどの頻度を、頻度の高いものはより赤く、頻度の低いものはより青く表示されます。
(例えば、ページ上で閲覧者が最も頻繁にクリックする場所を赤く、クリックの低いものを青く表示します)
Googleアナリティクスをマクロ的に、ヒートマップをミクロ的に分析する形で利用すると、より効果が発揮されます。
まとめ
ホームページの保守・運用は企業にとってとても重要です。実際に効果を実感できるようになるには少し時間はかかりますが、既存顧客との関係構築だけでなく、新規顧客の獲得にも効果を発揮します。
いいWebサイトはその会社にとって、大切な資産になりえますので、長期的な視点から、保守・運用にリソースを割いていくことはとても大切です。